2014-12-26

『怨霊になった天皇』 竹田恒泰 ★4

怨霊になった天皇 (小学館文庫)

感想

崇徳天皇を中心に、天皇が「怨霊」となるいきさつがぎっしりと描かれる。
私は日本史が得意でなく、「この漢字の読みはなんだっけ」とルビを見返すこと多数、系図に混乱する事も少なくなかったが、終始丁寧な解説で読み終える事ができた。

「こんな凶事があった。これは怨霊の仕業か」との語りにはオカルトの匂いを感じつつも、「怖いもの」「怖がること」がいかに日本人の礎を築いているか知ると、豊かな思索への入口に思えてくるから不思議だ。

また、本書に何度も登場する「怨霊は生者がつくりだす」の言葉通り、怨霊になりたくないと願ったのに、されてしまった後鳥羽院の話が特に興味深かった。

終盤の「日本の許す文化」「和の国」については、改めて気付かされると共に、いつまでも心に留めておきたい金言。

私にとって読み応えのある一冊でした!

後南朝

上のレビューには書かなかったけど、南北朝時代の南朝の末裔がまだ存続しているという話は結構びっくりした。南朝については他の本でチラッと読んだ気もするんだけど…。う~ん。
で、興味をもって検索してみたら(>後南朝)、ちょっとアヤシイ話に足を突っ込むことになるんかなー。

竹田さんは古事記についての本も読んでみたい。


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