2013-11-10

サタニズム・パニック

パニック

むかーし『SWITCH』という雑誌で「サタニズム・パニック」についての記事を読み、
以来なんとなく心に残ってずっと保管してきた。

「悪魔崇拝(サタニズム)」と言うといかにもオカルトっぽい。
個人的にはそういうのも嫌いじゃないが、「サタニズム・パニック」はちょっと趣が違う。

簡単に言うと
「悪魔崇拝者たちが子どもや動物を殺している!」 「虐待している!」
といったうわさが人々に信じられ、恐怖が蔓延し、パニック化する社会的現象のこと。

こちらでその記事が読める:サタニック・パニックの社会的背景
バックナンバーがネットで読めるって、ほんと便利な時代だなー。

目を引いたのは、これが「現代の魔女狩り」だという点。
それと、先日少し読んだ『うわさ もっとも古いメディア』との内容のつながり。

記事で「会社のロゴには悪魔のシンボルが刻み込まれているという噂が…」と触れられているが、
『うわさ』序の「商標の星が666を描いている…悪魔の印だ!」というのはまさにその件だ。

日本だとなんだろうなー。
オイル・ショックや「○○不足」という情報によって起きる買い占めとかかな。
あとは今夏、Twitterでなんかものすごいことになってた「パーナさん騒動」…
あれはほんとパニックの典型だよなー。

パーナさんに関しては、小学生の頃よくアニメのシティーハンターを見てたんだけど、
スナイパーやら裏世界の住人やらがわらわら出てきて「新宿ってどんだけ恐ろしいところなんだ…」
と思っていたことがありまして。それと似てる。
(歩いてたら銃声が聞こえる程度には危険なところだと思っていた)

メカニズムに興味がわいたので、あのうわさ本はひと通り読んでみよう。


記憶、物語

サタニズムと回復記憶療法」という記事も興味深い内容。

おそるべき悪魔崇拝者の存在を信じるセラピストと患者自身が、
「自分は以前儀式によって虐待されていた」など偽の記憶をつくりだしてしまうらしい。

その後、海外のミステリー作品(ドラマ?)でそういうシーンを見た記憶がある。
女性が犯人の手がかりを思い出そうとし、捜査官はそれを手助けしたい。
だが下手になにか言うと偽の記憶が創りだされてしまうので、言うに言えない、という内容だったと思う。

世界仰天ニュースでも、こういう事例の紹介があったような気がするなー。
だから昔よりはだいぶ見識が広まった現象なんだろうね。
しかし、もし記憶を創りだしてしまったら、それを修正することって…もう不可能なんだろうか。

関連して、「ブラック・ダリアと虚偽記憶シンドローム」という記事も面白かった。
ブラック・ダリアの小説はJ.エルロイのものしか読んだことがないが、いろいろあるんだなー。
どうもこのジャニスって人は、父が犯人だという物語を描いて、その中を生きてるような印象だ。
物語の中を生きたいという欲求は、パーナさん騒動もそうだろうし、『うわさ』幻想の項目にも見られる。

人はなんで物語が好きなんだろう。


メモ: 幻聴の1つから学ぶ:「忘れ去られた記憶にアクセスは可能か?」 - IRORIO

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