2013-05-18

『ドグラ・マグラ』その2

構成がうまいよなーと。ちょっと整理してみる。また読めば違うことを思うかもしれない。
 >その1(感想)

不安要素1

主人公は精神病棟にいる。名前も過去もわからない。
→ 頭がおかしいのではないか?見聞きしていることは妄想ではないか?

不安要素2

作中論文、『胎児の夢』の文章:
「1秒が長大な時間、長大な時間がたった1秒ということがありえる」

この作品もそうなのではないか?
長大な作品だが、たった1秒の夢なのではないか?
あるいは、一部分が夢ということも。

作中作

『ドグラ・マグラ』が作品内に登場。
この作品全てが、作品内の一部に吸い込まれる。

正木と若林の言う日付

A
 病院の中で。
 若林「今日は11/20、正木先生が自殺した1か月後」
 青年、原稿を読み始める。

B
 青年、読み終わる。
 死んだはずの正木が現れ、「今日は10/20、若林は嘘をついている」

C
 病院を飛び出し、帰ってきた後。
 ほこりをかぶった資料の中に、「正木自殺」=自殺してだいぶ時間が経っている。
 青年「10/20を繰り返し夢に見ているのだ」

 もしくは10/20を夢に見た11/20(仮)をも夢に見ている。

 Cでは詳細な日付は出てなかったような気がするが、Aと同じ時か?
 Aの日付は嘘かもしれない(Bもまた然り)。
 BはA,Cよりは前の時間…(だよな。若林の言ってた正木の死因おかしいところあったっけ?)

全部妄想なら、こういうことを考えるのも無意味な気がする。
うわあああぁぁ。

面白い。

全部夢だとしても

全てが妄想なのか、それともいつか現実に起きたことを夢に見ているのか?

もっとメタ的なことを言うと

私の頭おかしくなってないか?だいじょうぶ?
(もっとも、正木先生の言うように「人類みなキチガイ」なら当然私もキチガイ。)

作中で暗示についての説明や、青年を暗示にかけようとするシーンがあり、

「まさか……。
“これを読むとキチガイになる”という噂は、読者に暗示をかけようというのではあるまいな!?
リアル攻撃してくるとか、この本マジで奇書なんだが!?」

慄いてしまった。

でもたぶん、そういうことはない……はず……だ。


リンク

ドグラ・マグラとシャッターアイランド
似てるらしい。映画観てみようかな。

九相図
http://ja.wikipedia.org/wiki/九相図
http://matome.naver.jp/odai/2128021125751121801


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