仕掛けがわからなかったので単純にストーリーものとして読んだ。
主人公ハンバートは苦手な人物だ。
それはロリコンだからどうこうではなく、
あふれんばかりの詩情が、
すべて自分に酔うために紡がれているから。
それに気持ちが悪い。
ロリータの靴下でオナニーしたと告白する部分があるが、
別にオナニー自体はどうでもいいけど
(告白録に書く時点で相当頭いってるなとは思うが)、
そういう恥(罪?)を自分の愛の前に正当化する心理が見えて気持ち悪い。
いや、
少なくとも当初はそれが告白録の目的なんだから、
やっぱり書いてしまうのか。
冒頭で「我が罪」と宣言して、
だけどそれは罪悪感に浸りたいだけで、
心の底では本当に罪だなんて思ってないんだ。
ロリコンだけどむしろ自己愛に溺れてる。
そしてその苦手意識は、
ロリータに手を出したところから軽蔑に変わった。
彼にはあまり共感できないので、
読みなおすのは大変だなあ。
- - -
ロリータがその後どうなったか知ったときはショックだった。
あと、この小説には妙に死の匂いが漂ってる気がする。
どきどきした。
これだけ有名な作品ってことは、
凝った仕掛けがあるんだろうなあとは思うのだけど、
読み方がわからないので参考にこちらを読んでみることに。
序章から素晴らしい本だった:
『ロリータ、ロリータ、ロリータ』若島正
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